« アロハーな歯科 | トップページ | 川下り »

ウソのようなホントの話

常連Fさんの爆笑珍旅館話
長いから心して読んでちょ



気ままな男ふたり旅
途中、弘法大師空海が一日豆5粒しかとらず、ひたすら念仏して悟りを開いたという洞窟をとおり
「そりゃ、そんな生活してりゃ幻覚もみるわな」と、不信心者Kの鋭い洞察にうなずきながら室戸へ



全国宿泊帳で見つけた高知市近郊の温泉宿に電話

F:「もしもし、急で申し訳ないんですけど今夜、男二人宿泊できるでしょうか?」
宿:「大丈夫ですけど、朝食はご用意できませんがよろしいでしょうか?」
F:「・・・えっ、夕食は大丈夫なんですか?」
宿:「はい、ご用意できます。」
 友人Kに
F:「晩飯はOKだけど、朝飯できないんだってさ いいよね?」
 どうせ日頃から朝食なんぞとる習慣のない二人である
K:「ああ かまわないよ」
 (しかし普通、急で夕食は用意できなくても、朝飯くらい何とかなるだろうに)
 宿のご主人に
僕:「じゃあ今夜お願いします」
宿:「わかりました」
僕:「ところで料金はおいくらでしょうか?」
宿:「・・・」
このあと、電話は切れた様子がないのだが、なんの返事もなく仕方がないのでとりあえず宿へ向かうことにしたのであった。

 

宿に到着すると、広い駐車場に車が2台だけ
宿の入り口へ向かうと右手に
卑弥呼の祠」と大書した看板と、恐ろしく不気味なお堂がドーンとお出迎え
危ぶみながらも玄関へ向かうと、何やらプンプン顔の中年夫婦とすれ違い、二人で首をかしげながらも先へ進んだ。
玄関に着くと、邪馬台国どうたら、卑弥呼がどうたらと、これまた大きく達筆な文字がところ狭しとガラス戸を埋めている。
このあたりで ただならぬ雰囲気を察知した二人は覚悟を決め中へ

二人:「ごめんください」

宿 :「・・・」
返事がない

受付カウンター上のピンク電話は受話器が外れたまま
このあと1.2分待たされ、やっと主人登場

二人:「先ほど電話で予約した○○ですけど、こちら一泊の料金はいくらになりますか」

宿 :「うちは一泊一万円いただきます」
まあ温泉宿だし仕方ないかと、妙にキリのよい料金に無理無理納得し宿泊

 

部屋に案内される途中、宿に人の気配が全くないことに気づく
客がいないのならまだしも、従業員の気配がまるで感じられない。
「まあ まだ時間も早いし」と、これまた無理やり納得することにして部屋へ
主人が湯飲みと急須を持って登場
が ポットの給湯スイッチを押すも、給湯口と急須の口が、90度ぐらいずれているのに気づいたのだが既に遅く
お湯は畳の上をジョボジョボと
「あの~ あとは僕らでやりますから」
「はあ、そうですか(なぜか寂しげな口ぶり)じゃあ、ごゆっくり」
二人は気を取り直し「風呂いこ、風呂」と浴衣に手をかけると
「ギャッ!」
カビだらけである
もしやと思い、両隣の部屋を見てくると、部屋中カビだらけ
案内された部屋だけが、何とか人間が生息可能な領域として残っていたようである

 

なかばヤケになりながら(今更 新しい宿を探すのもめんどい)風呂へ

お風呂は、天然の崖を利用した半露天風呂 

体を洗おうとお湯の蛇口をひねると水しか出ない

まあいいや(随分と我慢強い二人である)と、そのまま湯船へ
お湯はマッタリした、イイ湯である

と、突然、風呂場の中に設置してあったテレビが自動的につき番組が始まった(ビデオらしい)

内容は、宿の主人が郷土史家(?)として登場する「邪馬台国は土佐にあった」という趣旨のNHK高知の番組(司会は藤本義一さん)

この時点で、なにやら恐ろしくなって、早く体を洗って出ようと蛇口をひねると、今度はどちらの蛇口も熱湯しか出なくなっていた

 

仕方がないので、洗面器を全部かき集め、そこに1cmぐらいずつ熱湯を入れ
冷めたところでかぶるを繰り返すことにした(これまた随分と柔軟な二人である)
Kはまどろっこしくなったのか、早く冷やそうと熱湯入り洗面器を高く放り上げ落下するうちに冷えることを期待してかぶっていたが、結局の所 熱さにのたうちまわる羽目に

どうにか体を洗い終え、今度は夕食を待つことにした

しばらくして、今度は若い(といっても中年だが)人が部屋を訪ねてきて鍋なのでガスボンベを置かなきゃいけないから、大広間へ移れと云う

その大広間へ行くと、またもや想像を絶する世界が広がっており、全ての襖は例の邪馬台国からいざなぎ、いざなみまで遡った古神道系の文字で埋め尽くされ、天井は半分落ち、畳につきかけていた

先程の人が、料理の入った小鉢とコンロ、鍋、具材を持ってきて

「俺は たまたま 風呂を入りにきた知り合いの人間だから、あとヨロシク」
と、ビニール袋に入った味噌仕立てのスープを手渡して帰っていった

ここまでくると、二人とも腹も据わってきているのか、無言のまま鍋の用意をし食べ始める

と、またもや、広間のテレビが自動的につき、同じ番組を流し始めた
チャンネルを変えても全て同じ放送なのだ

せっかく据わった腹も、何故か浮ついてき、背筋に悪寒が...

この日、二人は食事もそこそこに、何もせず、カビ臭い布団で早々に眠りにつくことにした

まさか、とって食われまいと祈りつつ・・

 

ホントは、まだまだたくさんエピソードがあるらしいのですが、今回はこの辺で

この旅館、当時は「若宮温泉エアーホテル」といい、現在では「ニュー若宮温泉」として
再生され営業しているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

|

« アロハーな歯科 | トップページ | 川下り »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

早く次が読みたい!
気になる!

投稿: ずんずんずんいち。 | 2006年8月10日 (木) 20時32分

もうびっくりなブログを見つけてしまいコメントいたします。私たち夫婦もかつて(1988年だったか…)宿泊しました!!確か隣接して病院があったような…朝食は和室に出向いていただきました。トイレに蜘蛛!?古ーいクーラーの吹き出し口には細い紙が数枚張り付けてあり!?風になびく様子に背筋がゾクッと…あげく夫は「昨夜ひとだまがおまえの寝てる上飛んでた」なんて言い出す始末。超現実的で霊感など否定派の夫婦ですが私たちはキツネにだまされていたのかもと今でも若宮エアーホテルは語り草です!!

投稿: まいどおおきに | 2012年4月 1日 (日) 23時30分

うちらも行きました!
今から20年前ですが
変わってない様ですねw
いつ行かれたんですか?

投稿: 池本家 | 2013年8月26日 (月) 22時35分

常連Fさんの深いいハナシですね。私は1992年3月に大学生30人で、自転車部での旅行中に泊まりに行きました。まさに、常連さんのお言葉通りの宿。夕食は、ホカ弁が30人分和室に並んでました。就寝前に宿の主人の説教(NHKの番組の解説)を1時間聞かされました。なつかしい。

投稿: hoshi10 | 2013年9月 5日 (木) 22時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウソのようなホントの話:

« アロハーな歯科 | トップページ | 川下り »